next up previous contents
Next: 第6章 サーチアクセス Up: 5.2 相関学習 Previous: 5.2.1 記銘過程

5.2.2 想起過程

 

tex2html_wrap_inline2648 を入力したとき, 各ニューロンの動作を式 (5.4) のようにする。 これをベクトルで表すと,式 (5.5) のようになる。

   align489

式 (5.3) で学習し,入力として記銘した入力パターンの一つ\ tex2html_wrap_inline2712 を与えると次式のようになる。

  gather500

ここで,定数 c を式 (5.7) のようにしたとき, 式 (5.6) にこれを代入すると, 式 (5.8) のようになる。

   gather533

このとき,入力パターン tex2html_wrap_inline2716 が互いに 直交している,すなわち,式 (5.9) の条件を満たす場合には, 式 (5.10) のようになる。

   gather556

これで, 入力パターン tex2html_wrap_inline2670 から出力パターン tex2html_wrap_inline2684 を 正しく想起できたことになる。 しかし,式 (5.9) が満たされていない,つまり,直交してない場合は, 式 (5.8) の右辺第 2 項(相互干渉項)が 0 にならず, 正しい想起ができない。 ただし,記銘する出力パターン tex2html_wrap_inline2666 の各要素 tex2html_wrap_inline2724 が, -1,1 をとる離散値モデルの場合は,しきい作用(階段関数)を用いることにより, 入力パターン tex2html_wrap_inline2664 どうしが直交していなくても, 正しい想起が可能である。

本研究で使用するモデルは,連続値モデルであるが, ある程度しきい作用があるので,直交から多少ずれていても想起可能である。 したがって, tex2html_wrap_inline2730 である自己相関学習を使用して, 検索するパターンを学習させる。 これで,入力されたパターンに近いパターンが出力されるようになる。



Deguchi Toshinori
1998年03月12日 (木) 16時16分01秒 JST