サーチアクセスとは,検索したいパターンの特徴を入力することにより, 目的のパターンを検索することである。
図 6.1 は, カオスニューロンを用いたサーチアクセスのネットワークの構成図である。 この図から,サーチアクセスの流れについて説明する。 まず,サーチアクセスで検索するパターンを, 自己相関学習により学習させる。 次に,検索したいパターンの特徴を入力する。 カオス系のニューラルネットワークは, 出力したパターンを次のニューロンへの入力とし, これを繰り返しながら,学習パターンを非周期的に出力する。 これをカオス状態といい,この性質を利用して, 入力しておいた特徴と一致するものが出力されるまで繰り返す。 一致しているかどうかは,出力されたパターンから特徴を抽出し, 入力した特徴と比較する。 その結果から,シナプス前抑制によりカオスニューロンのカオス状態を制御する。 このシナプス前抑制は,特徴が一致するまでカオス状態になるようにし, 出力パターンの特徴と入力した特徴が近くなると, カオス状態から学習させたパターンの一つへ収束しようとする, 自己想起状態へ移行させる。 このようにして,入力した特徴を持ったパターンが出力されるようになる。 これが,カオスニューロンによるサーチアクセスである。
次に,これらの各部分の働きについて説明する。