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ニューロンとは[1]

ニューロン(neuron)は生体の中で情報処理用に 特別な進化をとげた細胞である。図2.1に示すように、 ニューロンは本体の細胞体の部分と、複雑に枝分かれした 樹状突起と呼ぶ部分、同じく本体から一本だけ出ていて 末端で多数に枝分かれをする軸索と呼ぶ部分の三つに分けられる。 軸索は細胞本体からの信号を 他のニューロンに伝える出力用の線維である。 樹状突起は他のニューロンからの信号を受けとる部分である。 すなわち、他のニューロンからの軸索からの末端がここに結合している。 この結合部分をシナプス(synapse)という。 一つのニューロンは平均して千本、多いものでは数万本の軸索から 信号を受けとるという。細胞本体は、多数の入力信号をもとに 「計算」を実行し、その答を軸索から他のニューロンに伝える。

電気生理学者が詳しく調べたところによれば、 ニューロン内部の電位は外部に比べて通常は低いという。 しかし、外部からの入力信号が到着すると、ある条件のもとで ニューロンが「興奮」し、内部の電位が突然高くなる。 このときニューロンは「発火」したといい、時間幅にして1ミリ秒、 電圧にして0.1ボルトほどのパルスが軸索を伝わっていく。 これが他のニューロンに信号として伝えられる。

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図 2.1: 神経細胞



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 17:04:26 JST 2000