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2.2 ニューロンのモデル

ニューロンは多くの入力を受けて一つの出力を発生することから、 多入力一出力の素子であるといえる。ニューロンは他のニューロンからの 信号を受けとり、それを重み(荷重)つきという形で総和し、 その結果で発火するかしないかが決まる。この重みとは 「どの程度の割合で、他のニューロンの出力を 受けとったニューロンの入力とするか」という値である。 重みはニューロン間それぞれによって異なる値をとる。

ここでニューロンの数理モデル化を行ない説明をする。 一つのニューロンが n 個のニューロンから入力を受けているとする。 i番目のニューロンの入力を tex2html_wrap_inline1308tex2html_wrap_inline1310 )、 重みを tex2html_wrap_inline1312 とすると、i 番目のニューロンの入力は tex2html_wrap_inline1316 と表すことができる。 ここで簡単のために各細胞からの入力 tex2html_wrap_inline1316 が 単純に加算されたもの( tex2html_wrap_inline1320 )が ニューロンの出力の総和となるとする。 これがしきい値 tex2html_wrap_inline1322 を越えた時に、 ニューロンが興奮するものと考える。 これを図にすると図2.2のようになる。

   figure53
図 2.2: ニューロンモデル

  equation61

  equation66

式(2.1)、(2.2)は、 他のニューロンからの出力に 重みをかけ、その総和をとり、しきい値 tex2html_wrap_inline1322 を引いたものが、 内部ポテンシャルuであることをあらわしている。 これに出力関数fを施したものが出力yとなる。

出力関数fは一般に単調非減少関数である。 入力 tex2html_wrap_inline1308 、出力yのとり得る値としては、 二値のみを許すモデルや実数値を許すモデルもある。

二値モデルの場合の出力関数は、式(2.3)で定義され、 図2.3のような階段関数となる出力関数を用いる。

  equation73

   figure81
図 2.3: 階段関数

連続モデルの場合は出力関数には主に 式(2.4)で定義され、 図2.4のように連続性のある シグモイド関数と呼ばれるものを用いる。

  equation91

   figure96
図 2.4: シグモイド関数



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 17:04:26 JST 2000