神経細胞(ニューロン)とは脳神経の基本構成素子であり、 人間の脳は100憶から1000億個ものニューロンが集まって 3次元に密に回路網を形成している。 神経細胞は
細胞の中央部分に当るのが細胞体であり、細胞核はこの中にある。 細胞体の表面から突き出た、多くの枝分かれした突起が樹状突起である。 通常、1つの細胞体からは数十の樹状突起が出ている。 軸索は細胞体からほぼ一定の太さで長く伸びた1本の突起で、 途中で数多くの枝分かれを持っている。 枝分かれした軸索の結末は、他の神経細胞の細胞体ないし樹状突起に付着している。 この付着している部分をシナプスという。 役割から考えれば、樹状突起はニューロンの入力部、軸索は信号伝送路といえる。 軸索は10ないし数百に分岐しており、シナプスを通して 数多くの細胞と結合している。 さらに、1つの細胞が受けるシナプスの数は、 数百から数万に及ぶ[3]。 ニューロンの構造を図 2.1 に示す。
ニューロンの電位は、シナプスを通して結合したシナプス前ニューロンのパルスにより上下する。 シナプス後ニューロンの膜電位を上げるシナプスを興奮性シナプス、 下げるものを抑制性シナプスと呼ぶ。 興奮性シナプスの刺激により、 ニューロンの膜電位はしきい値に近付いて興奮しやすい状態になる。 一方、抑制性シナプスの刺激では逆に抑制され、興奮しにくくなる。