研究概要

当研究室では、以下のような建築音響に関するテーマを扱います。研究室所属学生の研究テーマについては「スタッフ」ページを御覧ください。

■室内音響
 空間の容積や用途によって、求められる音響性能は大きく異なります。様々な空間の音響状態を測定し、残響時間や明瞭性といった音響指標値を把握することで、それが室容積や室用途に合った適切な状態であるかどうかを評価します。適切な状態でない場合は、その改善方法を検討します。

■VR空間と響き
 VRは様々な分野で活用が進んでいますが、建築系のVRでは空間の響きが表現されないことがほとんどです。建築空間を表現したVR空間において人が受ける視聴覚印象を測定し、目で視た印象と耳で聴いた印象の関連性や相互作用などを明らかにすることで、VR空間を構成する視覚情報と聴覚情報の適切な組み合わせなどを検討し、違和感のないVR空間をつくることを目指します。

■楽器演奏にかかわる音場評価
 ホール音響設計では聴衆のための音環境を考えることが基本であり、演奏者のための音環境はあまり配慮されません。ですが、演奏者周辺の音環境は、演奏者のパフォーマンスに大きく影響するはずです。音響測定や演奏感・演奏音の主観評価実験を通じて、聴衆は演奏を聴きやすく、演奏者は演奏がしやすい音環境をつくりだす方法を考えます。

■音環境デザインと「音空間」デザイン
 身の回りの音環境を、サウンドスケープ、ユニバーサルデザイン、情報アクセシビリティなど様々な観点から見つめ直し、その評価やデザインを行います。また、音で空間を演出することを主眼にした「音空間」デザインを提起し、空間に合わせてオーダーメイドに音を作成したり、スピーカー配置を検討したりしながら、実践を行っています。