クリスプ集合

 曖昧な言葉をコンピュータに理解させるための表現法としてファジィ理論ではファジィ集合というものを定義しています。しかし、ここではファジィ集合の前に通常の集合(クリスプ集合)について説明をします。

 集合論において集合とは「ものの集まり」のことをいい、その集められたものの範囲が明確に定まっているものとしています。すなわち、集合の要素とは集合に属するか属さないかで完全に二分されるものです。これらの集合をクリスプ集合といい、例として「3以上7以下の実数」という集合Aを考えてみます。この場合、集合Aの範囲は実数3〜7と明確に定まっており、その他の実数(要素)は集合に属していません。この時、集合Aの要素が集合に属するなら1、属さないなら0という数値を与えて図示してみます。下図からもクリスプ集合の範囲が明確に定まっていることが分かります。



 さて、上図からも分かるようにクリスプ集合では「3ぐらい」「10に近い」といった曖昧な範囲、つまり人間の曖昧な言葉を表現することができません。しかし、ファジィ集合ではそれが可能となってます。それでは、次節にてファジィ集合がどの様に定義されているかを説明します。

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