ファジィ集合の基本演算(1)
前節でファジィ集合を用いることで人間の曖昧な言葉をコンピュータで処理することが可能であることを説明しました。しかし、実際にコンピュータでファジィ集合を数学的に扱うためには、ファジィ集合同士による演算ができなければ意味がありません。
例えば、「5ぐらい」というファジィ集合Aと「7ぐらい」というファジィ集合Bが与えられたとします。この時、AとBの和集合は「5ぐらいか、または、7ぐらい」というファジィ集合になります。また、AとBの積集合は「5ぐらいで、かつ、7ぐらい」となり、Aの補集合は「5ぐらいでない」となります。これらもやはりファジィ集合です。
それでは、これらのファジィ集合はどのようなメンバシップ関数で与えられるのでしょうか?和集合はAとBのメンバシップ関数の共通部分であり、積集合はそれらを重ね合わせたものとなります。また、補集合はAを否定したメンバシップ関数となります。下図に概念図を示します。
和 集 合 |
「5ぐらい」![]() |
「7ぐらい」![]() |
「5ぐらいか、または、7ぐらい」![]() |
積 集 合 |
「5ぐらい」![]() |
「7ぐらい」![]() |
「5ぐらいで、かつ、7ぐらい」![]() |
補 集 合 |
「5ぐらい」![]() |
「5ぐらいでない」![]() |