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ヒューリスティック評価

ヒューリスティックとは「経験則」という意味である。 ユーザビリティエンジニアやユーザインターフェースデザイナが、 既知の経験則に照らし合わせてインターフェースを評価し、 ユーザビリティ問題を明らかにする評価手法である。 被験者を必要としないので短期間で実施できる。 また、初期のプロトタイプや、場合によっては仕様書レベルでも評価が行えることから、 インターフェース開発の多くの場面で活用できる。 評価手順は以下の通りである。

  1. 使用するヒューリスティックを決める。
  2. 複数の評価者が個別に、ユーザインターフェースを評価し、問題点をリストアップする。
  3. ヒューリスティック評価者ミーティングを開き、互いに評価結果を報告し合い、問題点を整理する。
ヒューリスティックとしては、Nielsen氏とRolf Molich氏によって開発された 「ユーザビリティ10原則」が有名である。 以下にユーザビリティ原則を示す。

シンプルで自然な対話を提供する

不適切な情報や滅多に必要としない情報を入れない。 余分な要素があると適切な情報提供ができず、見た目も分かりにくい。 すべての情報は自然で必然的な順序にする。

ユーザの言葉を使う

システム中心の用語ではなく、ユーザになじみのある言葉、言い回し、 コンセプトを使ってはっきりと表現する。

ユーザの記憶負担を最小限にとどめる

ユーザがある部分からほかの部分へ移ったとき、そ の中の情報を覚えていなくても操作できるようにする。 つまり、システムの使用ガイドが見えるようにするか、 見たくなったときにいつでも引き出しやすいようにしておく。

一貫性を保つ

異なる言葉、状態、行動が同じ意味を表しているのかどうか、ユーザが迷わないようにする。

フィードバックを提供する

妥当な時間内にシステムからの適切なフィードバックを提供し、今、 何を実行しているのかを常にユーザに知らせるようにする。

出口を明らかにする

ユーザはシステムの機能を間違って選んでしまうことがあるので、 はっきりとわかる「非常出口」を示し、すぐに元に戻れるようにする。

ショートカットを提供する

アクセラレータ(初心者には見えない)があれば、経験者はインタラクションを早く実行できるので、 システムを初心者と熟練者の両方に対応させられる。

適切なエラーメッセージを使う

エラーメッセージは平易な用語を使って表現し、問題点を詳しく示し、建設的な解決策を提案する。

エラーを防ぐ

最初の段階でエラーが起こらないように注意深くデザインする。

ヘルプとドキュメンテーションを提供する

情報が探しやすく、ユーザの作業を重視してヘルプとドキュメンテーションを作成する。



Deguchi Lab. 2014年2月25日