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まとめ

アンケート結果について、各評価項目の平均値をグラフにしたものを図 5.7に示す。

アンケートの評価項目に使用した各項目内容についてまとめる。

学習のしやすさは、操作方法2と操作方法5より、同じインターフェースを並べることで、 インターフェースによっては視覚的に理解しづらくさせ、 学習のしやすさが下がるということがわかった。 操作方法3以外の一般的に広く普及しているマウス操作によるインターフェースでは細かい差はあるものの、学習のしやすさの評価が高いことがわかった。 これらより、インターフェースのデザインや配置が視覚的に理解しやすいかということ、 さらに、インターフェースの操作方法に関して予備知識があるかどうかが学習のしやすさに関係しているといえる。 予備知識は経験で得ていくものであると考えられるので、コンピュータスキルが初級程度であれば、 より視覚的な理解に頼る必要があるため、デザインを重視する必要があるといえる。

効率性は各操作方法を比較すると、スライダーやボタンを含むものが高い評価を得ている。 ボタンとスライダーでは、スライダーの方が評価がやや高くなっている。 最も評価が低かったのはキーボード入力である。 毎回カーソルを合わせてからクリックする必要があるボタンより、 一つのハンドルに最低1回カーソルをあわせれば操作でき、 またドラッグして一気に大きく数値を変更できることが、 スライダーを設置した操作方法において、効率性の評価を高くしたのだと考えられる。 以上のことから、効率性は操作回数の少なさと操作性の触れ幅の大きさを備えた、 少ない回数で自由に操作できることが必要条件であるといえる。

記憶のしやすさの全体のグラフは学習のしやすさの全体のグラフに似ているが、 1つ1つの操作方法ごとに見比べると、対応していない箇所もいくつか見られる。 このことから、記憶のしやすさは、必ずしも学習のしやすさに関係する訳ではないということがいえる。これは、初めて見たときに操作するまでにかかる時間が短いことと、本当に操作方法の全てを理解したことは違う意味を表しているということであると解釈できる。 このことに関しては学習のしやすさに関するところで先に述べたように、予めある知識や経験、 操作をどれだけ理解した時点で最初の操作をしたかが人によって違い、個人差が出るためであると考えられる。 いずれにせよ、記憶のしやすさは学習のしやすさに大きく影響しているといえる。

エラー発生率は操作方法2や操作方法3のような、ボタンやキーボード入力等の操作回数またはカーソル移動の多いものでは低い評価が多く付いた。また、操作方法5のようなスライダーは、自分の変えたい数値にぴったり合わせることは難しく、現在どの数値を入力しているのか把握することができない。これがエラー発生率の項目においてスライダーが高い評価を得られなかった理由と考えられる。 以上のことから、エラー発生率は、操作回数や操作対象物へのカーソル移動の回数が少なく、インターフェースの操作内容が操作する者に明確に伝わることが必要であるといえる。

主観的満足度では操作方法4、5で高い評価がより多く付けられた。 操作方法2や3では高い評価は少なく、低い評価が多い。 グラフ全体で比較すると、主観的満足度のグラフ配置は効率性のグラフ配置によく似ていることがわかる。 これらのことから、主観的満足度は効率性が高いことが上げられる。加えて、コンテンツで必要な操作が操作方法とマッチし、直感的に操作することが出来るかどうかであるといえる。今回のコンテンツ内容では、スライドなどで連続的に値を変化させれるものがより直感的であると感じられるインターフェースとなったため、スライドタイプのインターフェースのある操作方法4や5では高い評価が多かったといえる。効率性が主観的満足度に関係することから、操作が直感的であるとは、インターフェースの操作回数が少ないことであるともいえる。

図 5.7: 各評価項目の平均値
\includegraphics[scale=1.0]{heikin.eps}



Deguchi Lab. 2014年2月25日