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結論

本研究では、教育用コンテンツにおけるユーザビリティに関する基礎的研究として、まずユーザビリティとは何であるかについて調べることから研究を始めた。そしてFlashの使い方について学び、実験用のコンテンツをFlashを用いて作成した。ユーザビリティを調査するにあたって、本研究では1つのコンテンツにおいて複数のインターフェースを使用する場合について特に考えることとし、 その組み合わせの違いにより、ユーザビリティにどのような変化があるのか調査するものとした。 用意した操作方法にはそれぞれ2つのインターフェースを配置した。実験対象者はコンピュータスキルが中級以上の人とし、実際にコンテンツを使用してもらい、ユーザビリティに関するアンケート調査を行った。 アンケート調査結果からユーザビリティについて結果をまとめ、考察した。

操作方法をいくつか用意する際に、インターフェースは過去の論文でユーザビリティが高いという結果の出たものを組み合わせた。 しかし、調査すると、アンケート結果は組み合わせによってばらつきがあり、 過去の論文データでユーザビリティが高いという結果を出したインターフェースを組み合わせたものであっても、 良い結果が出るとは限らないということがわかった。 過去に単体で使用されたときに良い結果を出したインターフェースは、 他のインターフェースと組み合わせた場合には評価値が変わった。 他のインターフェースとではなく、同じインターフェースの組み合わせとしたときには、 単体で使用した時より評価が悪くなったものもあった。

アンケートに使用した5項目を結果を元にして項目ごとに考察すると、以下のような結論が得られた。

各ユーザビリティ判定項目ごとに見た結果、学習のしやすさでは操作方法1が、効率性では操作方法5が 、記憶のしやすさでは操作方法5が、エラー発生率では操作方法4が、主観的満足度では操作方法5もしくは操作方法1が、最もユーザビリティの高い操作方法であるということがわかった。 本研究で使用したコンテンツでは、スライダー形式のもの、ボタン形式のものが最もユーザビリティが高いということが言えそうである。しかし、コンテンツの内容が変われば目的とする効果を発するインターフェースも変わるはずであるので、インターフェースは目的に応じてカスタマイズして使用する必要があるといえる。

また、今回の調査では調査対象がコンピュータ操作のスキルが中級以上の人であったため、利用者が変わると、調査結果は違ったものになると考えられる。コンテンツの内容が違った場合にはコンテンツ利用者も変わることが考えられるので、今回の調査結果が一般的に通用するわけではない。

今回の調査の結果をもとに、問題であると考えられた部分を改善し、ユーザビリティの向上を図ったり、利用者がコンピュータ操作に慣れていない場合にどのような工夫をする必要があるか調査することが今後の課題である。

謝辞

最後に、本研究を進めるにあたり、御多忙中にもかかわらず多大な御指導を賜りました出口利憲先生に 深く感謝するとともに、共に勉学に励んだ兼松良輔氏に厚く御礼を申し上げます。また、忙しい中アンケート調査に協力していただいた本科5年生の方々に深く感謝いたいします。



Subsections

Deguchi Lab. 2014年2月25日