1943年、マッカロとピッツは神経細胞のモデルを提案した。これが神経回路を機能面からとらえた最初の研究である。まず、神経細胞としてのニューロンについて述べる。
ニューロンは生体の中で情報処理用に特別な分化を遂げた細胞である。図2.1に示すように、ニューロンは本体の細胞の部分、そこから枝分かれしている樹状突起と呼ばれる部分、細胞から一本だけ伸びてその末端で枝分かれする軸索の、三つの部分に分けられる。樹状突起には、他のニューロンから伸びている軸索が結合しており、そこから信号を受けとる。 この結合部分をシナプスと呼ぶ。