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: 結論 : 実験 : 実験結果   目次


考察・検討

6.1.2項、6.2.2項より、 内部記憶を持つニューラルネットワークに 遅れ学習法を用いて時系列を学習させるとき、 学習に有効な遅れ時間は 教師信号の波形や他の学習パラメータに依存せず、 学習させる時系列の一周期のデータ数によって 決めることが必ず有効であるとはいえないが 効果的であることが示された。

また、学習に有効な遅れ時間は 教師信号の周期と同じ周期で 表れることが多かった。 ある学習に有効な遅れ時間と その一周期あとの遅れ時間を 比較しても学習が完了するまでの 学習回数に大きな変化はなかったため、 多くの計算量を必要とする一周期あとの 遅れ時間を用いる方が 効率が悪いことが分かる。 さらに、学習に有効な遅れ時間は 教師信号の一周期のデータ数以下で 表れることが多かったため、 遅れ時間の選択の範囲は 教師信号の一周期のデータ数以下で 十分であると言える。

ある信号を学習させるのに有効な遅れ時間に 近い遅れ時間ではその学習中の平均の誤差に なんらかの変化が表れることが多かった。 つまり、 ある程度学習させたとき、 学習はしないが 学習中の平均の誤差に変化があれば、 それに近い遅れ時間を用いると 学習が可能になる可能性があることが言える。



Deguchi Lab. 平成20年3月5日