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: 結論 : 実験 : 実験2(パターンの組を変えた場合)   目次


実験3(パターンの相関値を変えた場合)

複数のパターン間について相関値と呼ばれる値が考えられる。 これは平たくいえば、パターン同士がどの程度似通っているかを表す値であり、 あるパターンの値と他の全てのパターンの値との一致率である。 パターンの大きさ(画像であれば画素数であり、ニューラルネットワークに入力する場合は 素子数)が十分(200以上程度)であれば、2値パターンの場合、 含まれる値の割合を変えることで相関値を50%から100%までおおむね任意の値に設定できる。 2値を50%ずつとすれば相関値は最も低く50%となり、 2値のいずれかを100%とすれば相関値は当然100%となる。 相関値はパターンに含まれる値の割合に対して、2次関数となる [5]。

実験1、2では学習させるランダムパターンに含まれる1と$-1$とを同数としたため、 相関値は50%であった。 実験1および2の結果では、素子数がある程度(400程度)以上に多い場合、 適切な$\Delta w$が0.01875となったが、 これは学習させたパターンの相関値に影響を受けるのではないかと考え、 実験3では1が75%、$-1$が25%となるパターンを400素子のネットワークに学習させた。 (このとき相関値は75%となる。)

その結果が、表 4.3であり、 最も動的想起でパターンが多く想起されたのは$\Delta w$が0.01875のときであった。


表 4.3: 動的想起で想起されたパターン数(素子数400)
$\Delta w$ 0.00625 0.0125 0.01875 0.025 0.03125 0.0375 0.004375 0.05
パターン数 36 48 52 44 21 19 14 8

もちろん、素子数400以外の場合も実験1や2と同様に行い、 実験1に対する実験2のようにパターンの組を変えた場合も確かめ、 さらに他の相関値の場合についても確かめることが望ましいが、 時間的な制約のため素子数400、パターンに含まれる1の割合が75%の 場合のみを確かめた。

仮に、今回と同様の結果が、先に挙げたような他の場合についても 得られたとすると、適切な$\Delta w$は 学習させるパターンの相関値に依存しないということになる。



Deguchi Lab. 平成20年2月29日