式(4.3)により
図 6.2 に示す
10 10 のマトリクス上に並べた4つのパターンを、
ニューラルネットワークに相関学習により記憶させ、
シナプス前抑制を加え続けると、
不応性のためネットワークの状態は平衡点にとどまることはなく、
非周期的に様々なパターンを想起していく。
このカオス状態を実現した例を図 6.3 に示す。
パラメータ(図中左上に記入してある)を与えることにより、 カオス状態を実現させている。但し、t は、回数(時間)をあらわしている。 また、初期パターンとは、全くランダムなパターンを用いることとする。
図 6.3 のパラメータ上で、 t=8 では、``バツ''を想起し、 t=10 では、``波''に近いパターンを想起、 t=46 では、再び``バツ''、 t=56 では、``星''にかなり近いパターン、 t=94 では、``三角''を想起している。 この例のように記憶したパターンをすべて早い時間で想起できるカオス状態は、 サーチアクセスを行う上で特に理想的であると言える。
相関学習は、 節 5.5 の式(5.18)により行うが、ここで、 結合荷重のパラメータ d は、記憶したパターンの数が4であるから、 4分の1で0.25 と決めた。
このカオス的な連想ダイナミクス(カオス状態)を実現するニューラルネットワーク は、津田、奈良、Davis らによっても提案されている [6]。