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記憶させるパターン数と量子化後の記憶パターン数

  記憶させるパターン数と量子化後に記憶しているパターン数の関係を調べる。 5.6.1項より、量子化後に記憶しているパターン数は、 学習セット数を増やしてもそれ以上改善しない。 そのため、入力したパターンを全て記憶できたセットで学習を打ち切り、 結合荷重のとる値の数が相関学習法と同じになるように量子化処理を行なった。 入力パターン数は1から75パターンまで75通りとし、これを相関値が50%, 55%, 60%, 65%, 70%の入力パターンについて調べた。

   figure623
図 5.14: 入力パターン数と量子化後の記憶パターン数

結果は図 5.14のようになった。 いずれの場合も量子化前は全ての入力パターンを記憶できた。 相関値の低いパターンほど、量子化後に記憶しているパターン数が多い。 また、相関値55%, 60%, 65%では、入力パターン数が少ないうちはある程度の数の パターンを量子化後も記憶しており、入力パターン数に応じて増加している。 しかし、入力パターン数が増えてくると、あるパターン数で急に量子化後に 記憶しているパターン数が少なくなる。 5.6.2項より、量子化によって情報が失われるのは、 結合荷重分布の中で、相関の高低により情報の記憶される値域が異なるためである。 このような情報の偏在は、入力パターン数が少ないうちは起こらず、入力パターン数が 増えるにつれ徐々に起きてくるといえる。



Deguchi Lab.