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結論

本研究では、3層パーセプロトンにオセロの盤面データを入力することによってその盤面の評価値を得られるように学習を行い、主に中間層の数による学習への影響についての研究を行った。

学習回数2000回までの学習過程を見ると、学習回数400回以内で中間層の数に依らず一定の水準までは学習が進んでいるが、それ以降では2000回まで学習誤差の減少は見られなかった。

学習係数の調整実験では学習係数を小さくするにつれて学習不足により学習誤差が学習過程のものとほとんど変わらないほど大きくなった。このとき、中間層の数が多くなるほど学習不足が生じ始める学習係数の値が大きくなり、中間層の数によって必要となる学習回数に影響が出ることが分かった。

ニューラルネットワークの分割実験ではゲームの序盤、中盤、終盤において有利であると評価される基準が必ずしも同じとは限らないという考えに基づいて、手数に応じたニューラルネットワークの分割を行い、学習誤差への影響を調べた結果、5万回程度の学習では学習不足により、学習誤差は大きくなってしまうことが分かった。

以上の実験結果を踏まえたうえで学習回数を約50万回まで増やし、学習係数を0.01とした実験と分割数を3とした実験を行うことで、それまで出た結論の裏付けを行った。これらの実験の結果、やはり学習係数、ニューラルネットワークの分割数、中間層の数によって必要な学習回数が変化し、充分な学習を行えば僅かだが中間層の数が多いほうが良い結果を出せることが分かった。また、必要な学習回数としては学習係数を小さくすると非常に多くなり、中間層が8個以上で50万回学習しても不十分となる。ニューラルネットワークを3分割した場合では50万回の学習で中間層が16個でもそれなりの出力が得られたが、終盤の学習誤差が目立つ形となった。さらに多くの検証データを作成することで学習係数、分割数、中間層の数と必要な学習回数の相関を算出し、ニューラルネットワークのパラメータ設定に生かすことができると考えられる。

今後の課題としては、約50万回の学習を行っても改善されなかったゲーム終盤の大きな学習誤差の改善や、より少ない学習回数でより良い出力が得られるニューラルネットワークのパラメータ設定を見つけることなどが挙げられる。






Subsections

Deguchi Lab. 2014年2月25日