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第1章 序論

  ニューラルネットワークは、画像処理、パターン認識などの分野において、 近年大いに活躍している。 ニューラルネットワークは、神経細胞をモデル化することによって、 その動作をコンピュータで再現しようとするものである。

しかし、実際にモデル化されているのは神経細胞のごく基本的な部分でしかなく、 実際の神経細胞とは大きく隔たりがあるといえる。 このニューロンモデルをより実際の神経細胞に近づけようとしたものに、 カオスニューロンモデルがある。 これは、従来のニューロンに、神経細胞から検出されているカオスを 導入したものである。

カオスニューラルネットワークを用い、相関学習により四つのパターン、 ``バツ・三角・波・星 ''を学習し、カオス状態を実現できることは 従来の研究で報告されている。また``バツ・三角・波・星 ・花・鎖 ''による 周期的なパターンを学習させた場合での結果が昨年報告された。[1]

しかしパターンの収束条件について詳しいことは報告されていない。 そこで、本研究では周期パターンをカオスニューラルネットワークに学習させた後、 どのような条件が満たされると目的のパターンに収束するか調べることを目的とする。 また、昨年の報告による収束方法とは違う方法で収束するかも調べる。

本論文では、カオスニューラルネットワークのもととなるカオス (第 2 章)、 ニューロンとニューラルネットワーク(第 3 章)、 そしてカオスニューロン(第 4 章)と、 ニューラルネットワークの学習法(第 5 章)、 について説明し、実際に周期パターンを学習させ、 結果を検討する(第 6 章)。 そして最後にまとめとして結言を示す(第 7 章)。



Deguchi Toshinori
1997年03月04日 (火) 08時34分02秒 JST