next up previous contents
Next: 6.5.2 シナプス前抑制の場合 Up: 6.5 結果および考察 Previous: 6.5 結果および考察

6.5.1 比率を調べた場合

 

6.3.2で述べたバツ、三角、波のパターン1、 星、鎖、花のパターン2を学習させる。 その後、目標パターンと想起パターンを比較し、 何% の時に割り込みをかければ収束するかを、比率を少しずつ上げていき調べた。 その結果を表6.1に示す。 なお、乱数を用いることにより初期パターンをランダムパターンとした。

 

 
パターン1 パターン2
パターン tex2html_wrap_inline1636 パターン tex2html_wrap_inline1636
バツ 80 72
三角 80 78
75 80
表 6.1: 比率の検索結果

このように比率の値がそれぞれバラバラになるが、 バツ、三角、花は80% となっている。 これはバツ、三角、花のパターンが似ているため、 79% 以下だと別のパターンに収束してしまうのである。

またこの比率を用いて割り込みをかけた結果を図6.5(目標パターンが三角の場合、以下結果1) 、図6.6 (目標パターンが花の場合、以下結果2)に示す。結果1ではt=201で割り込みが入り収束した。それに対し、結果2では t=920で割り込みが入り収束した。これは同じ条件であっても、検索するパターンが異なると検索ステップ数も異なるからである。

   figure463
図 6.5: 目標パターン三角 tex2html_wrap_inline1342 の結果

   figure470
図 6.6: 目標パターン花 tex2html_wrap_inline1342 の結果

目標パターンが波の図6.7は、結果1と同じようなところで収束している。これは、付近に類似パターンが想起されているためである。

   figure478
図 6.7: 目標パターン波 tex2html_wrap_inline1342 の結果

目標パターンが星の図6.8と結果2は、同じ初期パターンであるが比率が違う(星 tex2html_wrap_inline1654 、花 tex2html_wrap_inline1656 )。当然の結果ではあるが、比率が高いほど収束が遅くなり、高過ぎると収束しなくなる。

   figure486
図 6.8: 目標パターン星72[% ]の結果

これらのことから、次のことがいえる。

  1. 比率は80 tex2html_wrap_inline1636 が妥当である。
  2. 同じ比率で、同じ周期パターンなら、目標パターンが違っていても近い時間で収束する。
  3. 周期パターンが違えば、同じ時間で1つが収束しても他も収束するとは限らない。


Deguchi Toshinori
1997年03月04日 (火) 08時34分02秒 JST