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評価方法と結果

検証方法は、Moodleにアップロードされているメインサンプルとサブサンプル両方を 利用してもらい、サブサンプルと比較してメインサンプルの 学習方法に関してはどう思うかをアンケートに記入するよう学生2人、教師3人に依頼した。 用意した項目は図6.1に示す。

ここで、サブサンプルはメインサンプルの「コンテンツ順番」を入れ替えたものであり、 学習内容は変わらないため、サブサンプルと比較した「メインサンプル」の評価を 調査した。

アンケート結果をグラフ化したもの図6.2から 図6.4に示す。 アンケートには5段階評価以外に意見を書く欄があり、以下に参考になった意見を紹介する。
亀山 太一 教授による評価
新しい英語の学習方法として、メインサンプルの方法に興味を持った。 特に図5.1の ような、「音声による読解問題」は英語を勉強する上で大切な「発音練習」も兼ねて いると思った。ただ、両方のサンプルはeラーニングコンテンツとして、 UIが分かりにくいと感じた。 「問題提出(Submit)ボタン、正解(Correct)、不正解(Incorrect)」の表示が 下に固まっていたため、見つけるのに一苦労した。またこの教材の対応年齢層を 考えたとき、小学生や中学生ならば理解できない単語が操作UIに使われていた ならばコンテンツを進めることができないでろうと思った。さらに対象年齢層が 低ければ、低いほど始めて習う例文をなかなか暗記できないと思う。その場合、 文をさらに細かく仕分け、分けた部分ごとで学習を行った方がよいと感じた。

確かに作品としてまだ改善の余地はあるが、文と音声から英語を学ぶ方法を実装した このコンテンツは今後の英語学習の手助けできるであろうと感じた。

Aさんによる評価
ノートや教科書に向かう勉強よりモチベーションが上がり、ゲーム感覚で楽しめるので 低年齢層には効果的であると思った。操作性についてはクリックやキーボード入力だけ だったので簡単であると感じた。ただ時々、「進む、戻るボタン」が機能しないので 直してほしい。

学習法について。英語を始めたばかりの小中学生は,もう少し基本的な事項から 学習するべきだとも思うが、ある程度基礎が習得できたらこのような学習方法は 大変効果的だと思う、単語の意味が分かっていても、似たような単語をどう使い分けるか などは分かりにくいが、例文にたくさん触れることで自然とそのスキルも上達するであろう。 また,日本語で長々と文法について説明されるよりも、自分の知っている例文から応用して 他の文も作れるようになった方が効率的だと思うので、その点でも メインサンプルの学習方法は素晴らしいと思う。

結果として利用者全員がメインサンプルの「学習方法」の方に賛同が得られた。 特に先生方全員から賛同が得られたということは、現状の英語の教育方法になんらかの 疑問を抱いており、文法から英語を学ぶ方法ではなく、メインサンプルで 用いた、初めから文章を読む、もしくは聞くことから始める方法の方が英語を 効率よく学べる可能性があると考えられる。

また、亀山太一先生に評価を依頼したとき、先生がCOCET制作時に集めた、 高専生のため技術英単語、文章ライブラリとこの学習方法を結びつけたいと仰っておられた。 もし機会があるならば、高専のための教材を作成する場合、このような方と協力してコンテンツ を充実させる手段もあると考えた。

図 6.1: アンケート内容
Image 6-1
図 6.2: 教材としてどう思ったか
\fbox{\includegraphics[width=0.7\textwidth]{image/6-10.png}}
図 6.3: 操作についてどう思ったか
\fbox{\includegraphics[width=0.7\textwidth]{image/6-11.png}}
図 6.4: 「例文→表現学習→文法」という学習法について
\fbox{\includegraphics[width=0.7\textwidth]{image/6-12.png}}



Deguchi Lab. 2015年3月4日