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: カオスニューロンモデル : カオスニューラルネットワーク : カオス   目次


カオス的挙動

カオス的挙動とは、先で述べた通り、入力値がわずかに違うことが、その後の振舞いに甚大な影響を与えることである。カオス的挙動の例として、式(3.1)でのような関数を考える。この関数はカオス状態を示すことが知られている。この関数の入出力応答は図 3.1のようになる。


$\displaystyle x_{n+1} = 4x_n(1-x_n)$     (5)

この関数に初期値を与え、その出力値を再び入力値とし、繰り返し計算する。 図 3.2に初期値$x_0$=0.300000、図 3.3に初期値$x_0$=0.300001として50回繰り返し計算した結果を示す。繰り返し回数が15までは同様の振舞いをするが、それ以降は初期値が百万分の一違うだけで振舞いが全く異なっている。このように、カオス状態ではわずかな誤差が拡大され、系の振舞いを大きく変えてしまうことが分かる。

図 3.1: カオスを示す関数の入出力特性
\includegraphics[scale=1.0]{eps_file/kyodou1.eps}

図 3.2: 初期値$x_0$=0.300000
\includegraphics[scale=1.0]{eps_file/kyodou2.eps}

図 3.3: 初期値$x_0$=0.300001
\includegraphics[scale=1.0]{eps_file/kyodou3.eps}



Deguchi Lab. 平成21年3月6日