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: 学習方法 : 実験 : 目的   目次


実験モデル

本研究で用いたカオスニューラルネットワークは3.4節に示した相互結合型ネットワークとした。

このネットワークでは外部入力の数を表す$M$があるが、実験では外部入力の数は1つのニューロンに対して1つとし、$M = 1$とした。 また、外部入力に対する結合荷重$v_{ij}$は全てのニューロンにおいて2.0で一様とした。

ニューロンからの出力値の範囲は$-1$から1までとしたため、出力関数として、式(2.4)を変形した式(5.1)を用いた。


\begin{displaymath}
f(y) = \frac{2}{1+\exp(-\frac{y}{\epsilon})}-1
\end{displaymath} (13)

シグモイド関数の傾きの緩急を表す定数$\epsilon$は0.015として実験を行なった。 図 5.1に示すカオスニューロンの応答と$\epsilon$の関係から明らかなように、 $\epsilon = 0.015$では、カオスニューロンはカオス的挙動を示す。

図 5.1: カオスニューロンの応答
\includegraphics[scale=1.0]{eps_file/sigmoid.eps}

その他の定数についても、過去の研究より適当と判断された値を用いた。具体的には時間減衰定数については外部入力項が$k_s = 0.95$、相互結合項$k_f = 0.1$、不応性項が$k_r =0.95$とし、不応性項をスケーリングする定数$\alpha = 2.0$とした。

なお、外部入力項$\xi_i(0)$、相互結合項$\eta_i(0)$、不応性項$\zeta_i(0)$の 初期値は全てのニューロンにおいて0とし、結合荷重$w_{ij}$についても初期値は全て0として実験を行なった。



Deguchi Lab. 平成21年3月6日