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学習

従来の連想記憶モデルの多くは, 学習時にパターンの相関行列に基づき重みを学習し, 想起時にはその重みを利用して想起を行なうというものである. つまり学習過程と想起過程とは全く分離されたものとなっている. しかし, 脳においての学習と想起とは分離されたものではないと考える方が自然である.逐次学習法では, 既知のパターンが入力として与えられた場合にはそれを想起し, 未知パターンが入力として与えられた場合には新しいパターンとして学習するという, より現実に即した学習法となっている. 逐次学習法は各カオスニューロンにおいて, 下の学習条件(1)が成立している時に結合荷重を変化させて学習を行なう.

equation47

この式は相互結合の項と不応性の項の和が, 外部入力の項と同じ符合になるまで結合荷重を変化させる. 両者が同じ符合になれば, ネットワーク全体のエネルギーの極小点に向かおうとする相互結合の力と, 入力されたパターンに近付こうとする外部入力の力が同じ向きに働くようになる. そこで結合荷重の変化は, 個々のニューロンへ入力される外部入力項と他のニューロンの出力の積が正なら結合荷重を強め, 負なら結合荷重を弱める. これを多数繰り返すことで入力パターンを学習することができる.



Toshinori DEGUCHI
2003年 4月23日 水曜日 17時47分36秒 JST