ホップフィールド(Hopfield)らによって,
対称的なシナプス結合 を持つ
ニューラルネットワークにおいて, エネルギー関数が存在して,
ニューラルネットワークはこのエネルギーを
減少させるように動作することが示された[3].
このニューラルネットワークの振舞いは図 2.5 に示すように, 一種の山下り法(最急降下法)で, なめらかな凹凸を持つ曲面上を 転がるボールの動きと同様であり, 最終的にはエネルギーの谷である 曲面のくぼみ(図 2.5 の極小値 A や点 B)に到達する.
エネルギー関数がどのような形状を持つかは, 素子間の結合荷重分布などの ニューラルネットワークの構造によるが, 一般に, エネルギー関数は多くの極小点を持つ多安定関数になる. たとえば, 各極小点を記憶の内容と考えると, ボールが斜面を転がる過程は, 記憶の内容を思い出す(想起)過程と考えることができる[1].