図5.3はランダム層モデルで、このモデルは多層モデルの記憶層の代わりにランダム層が設けられている。
このモデルは、ランダム層に図5.4のようにランダムなパターンをサイクル状に記憶させ、
出力層が記憶するパターンと対応させることによって想起するという、
多層モデルとは異なった考えを基にしたモデルである。
例えば、図4.3の と
、
と
、
と
、
と
というように対応させる。
仮に、
であるとして、出力層に
が入力されても、
ランダム層によって、今の状態が
なのか
なのかが分かるため、次に出力するパターンが分かる。
このモデルの荷重は、ランダム層の状態を R とすると次のようになる。
出力層から出力層への荷重は、
であり、
出力層からランダム層への荷重は、
である。
また、ランダム層から出力層への荷重は、
であり、
ランダム層からランダム層への荷重は、
である。
また、このモデルのネットワークは、再発部分系列の長さに関わらず2層のままでよい。 しかし、ランダム層の学習パターンは学習の際に適当に作られたランダムパターンであり、 初期値を決めることができない。 このことが想起能力に影響を及ぼす可能性もある。