不応性の項の係数 を変化させてネットワークの学習状況を調べたが,その際個々のニューロンの内部状態はどの様に変化しているのか。一つのニューロンをサンプルに置いて,その内部状態を調べた。 図 3 は
= 2 のニューロンの内部状態である。この時,相互結合が外部入力に追従する形で変化していることが分かり, 図1 で示すように,この条件下での学習は効率良く成功している。 図 4 は
= 0 のニューロンの状態である。ここでは相互結合の項には大きな変化が見られず,外部入力の値に追従できていない。先に
が 0 の時は学習が成功しないことを述べたが,その理由として 図 4 に示すように,相互結合が十分に変化していないからだと考えられる。また,相互結合の項は結合荷重のみに関係し,ここから結合荷重が十分に変化していないと考えられる。さらに学習が強固に行なわれていないために,パターンを切り替えて学習する際,以前覚えたパターンを忘れてしまうことが考えられる。
よって、個々のニューロンの状態からも、不応性の働きが無いと学習が成功しないことが分かった。