不応性は相互結合を強めるために用いられ,不応性項の係数 を変化させることは学習の効率を左右すると考えられる。そこで
を変化させ,学習成功数を調べることにした。学習成功数とは,用意したパターンを学習させ,想起に成功したパターンの総数を表したものである。(今回の実験で最大学習成功数は26である) 図 5.3 は学習成功数特性で,横軸に不応性項の係数
を,縦軸にパターンの学習成功数をとっている。図ではそれぞれ2,4,20セットまでの学習における学習成功特性を示している。これはセット数が少ない時に学習成功数の変化が大きく,20セットを越えると,それ以降の学習成功数特性は大きく変わらないためである。
ここで
が 0 の時は用意したパターンの学習が一つも成功しておらず,
が 0 より大きい場合,学習に成功していることが分かる。また,ある程度不応性を大きくすることで,複数のパターンを学習することができることも分かった。
そこで,図 5.4 〜 図 5.6 は
の測定範囲を広げ,個々のパターンの学習回数を25,50,100回と変えて学習させた結果である。 図 5.3 でも述べたが
が0の時はパターンの学習が成功しておらず,これはパターンの学習回数に関係なく言えることである。これらから,不応性は学習を成功させるために必要なものだと言える。20セット学習をした場合,
が 0 よりある程度大きい時は,全パターンの学習に成功しているが,
が 5 より大きくなると,学習成功数は急激に減少していることが分かった。この時,ネットワークがどの様に学習をしているかを調べるため,結合荷重の変化回数を調べることにした。
図 5.5: 学習回数50回の 学習成功数 - 依存性
図 5.4: 学習回数25回の 学習成功数 - 依存性