ここで、各学習時におけるカオスパラメータ 、
、
の推移を見てみる。
図 4.10、図 4.11、図 4.12 を
見ると、学習が複雑になるにつれて は大きく移動していることが分かる。
学習1では学習 100回ですでに 1000回のグラフに近づいており、それ以上の学習は
ほとんど行なわれていない。学習2では 100回目まではあまり学習されておらず、
200回から 500回に間でよく学習されている。学習3では、100回から 500回の間に
よく学習されている。
初期値に対する学習後の値には、あまり関係性がないと考えられる。それは、カオス
ニューロンの動作が のみによって決まるものではなく、またわずかな値の
違いによって大きく異なる反応を示すものであるからである。
しかし、初期値が 1.82931 の出力層ニューロン2はどの図でも 0.3〜0.6 まで上がって おり、また、初期値が 0.702883 の中間層ニューロン16はどの図でも 0.72〜0.78 に なっているなど、似た推移を示すニューロンもある。
としての特徴は、学習後にはほとんどのニューロンでその値が上昇している
ことが挙げられる。
パターンの特徴として、X T
W
X と
S
C
F
S の各周期パターンで
各画素ごとに0から1、または1から0へ変わる回数を調べた。その結果、
前者の周期パターン1で常に0または1の入力が入る画素は 27個で、0-1-0
または1-0-1と入る画素は 73個であった。後者の周期パターン2では、
同じく 26個と 74個であった。
入力層では一つの画素が一つのニューロンに対応しており、同じ入力が続く場合、特
に0が続く場合は式 (3.9) においては が、また
式 (3.12) においては
が非常に小さくなる。
そのため、そのニューロンの
、
はほとんど学習されなくなる。
図 4.13、図 4.14、図 4.15 は
の推移を示したものである。ニューロンによっては値が大きく増加している
ものもあるが、全体的には
よりもそれほど大きく変化していないことが分かる。
図 4.16、図 4.17、図 4.18 には、
の推移を示す。これを見ると、ほとんどのニューロンでその値が減少している
ことが分かる。
初期値が 2.405 の出力層ニューロン1と、初期値が 2.761 の出力層ニューロン2は
特に下降が顕著である。学習1で二箇所大きく下がっているのがそのニューロンであり、
学習2・3においてはほぼ零になっている。不応性 がなくなると
ニューロンの動作は比較的穏やかになるので、カオスニューロンとしての特徴が
失われ、普通のニューロンと同様の動作をしていると考えられる。