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ニューロンのモデル [4]

ニューロンは,樹状突起から多くの入力を受けとり, そして発火又は不発火という一つの信号を出力する。 また,他のニューロンの出力はシナプスを介して入力として与えられるが, この時,その入力がニューロンに及ぼす影響の強さは, 各ニューロン間によって異なると考えられる。 この影響の強さを「重み」と考えると, ニューロンは「重み付き多入力1出力素子」 であるといえよう。

   figure29
図 2.2: ニューロンのモデル

ここで,一つのニューロンが n 個のニューロンから入力を受けているとする。 i 番目のニューロンの出力を tex2html_wrap_inline1076 tex2html_wrap_inline1078 ,それぞれの重みを tex2html_wrap_inline1080 とする。 単純に考えると,i 番目のニューロンからの影響は tex2html_wrap_inline1084 と表すことが出来る。 次に,簡単のため各ニューロンからの影響 tex2html_wrap_inline1084 を単純に加算したものが, ニューロンの入力総和になるものとする。 そして,この和が閾値θを越えた時,ニューロンが「発火」したと考える。 この「発火」そのものが,そのニューロンの出力となる。 このニューロンのモデル化したものを図3.2に示す。

また,以上のことを式で表すと,

  equation37

のようになる。 上式において,内部ポテンシャル u は重みつき入力総和 tex2html_wrap_inline1084 から閾値θを 引いたもので表されている。 そして内部ポテンシャル u0 を f(u) に代入したものが, そのニューロンの出力となる。 f(u) は出力関数と呼ばれているもので, 一般に単調増加関数(右上がり)である。 入力 tex2html_wrap_inline1076 と出力 y のとり得る値としては, 2値のみを扱うモデルや,実数値を扱うモデルがある。 2値モデルの場合の出力関数は, 式(2.3)のように定義され, 図 3.2 のような階段関数と呼ばれるものを用いる。

   figure44
図 2.3: 階段関数

  equation52

連続モデルの場合の出力関数は, 式(2.3)のように定義され, 図 3.2のように連続性のあるシグモイド関数と 呼ばれるものを用いる。

   figure62
図 2.4: シグモイド関数

  equation70



Deguchi Toshinori
Tue Feb 23 15:28:33 JST 1999