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実験結果


表 5.12: 入力データ数による予測精度の変化
データ番号 データ数 降水の有無の
適中率[%]
最高気温の
予測誤差(RMS)[\textrm{\r{\/}}C]
最低気温の
予測誤差(RMS)[\textrm{\r{\/}}C]
データ1 18 66.60 3.61 2.96
データ2 16 64.70 3.48 2.69
データ3 14 60.45 2.96 2.12
データ6 12 65.20 2.80 1.84

降水量の入力データをを段階化して自己組織化マップに学習を行い、 気象予測を行ったときの予測精度を表5.12に示す。

5.12を見ると、データ1の結果は実験2のときよりもよくなり、 実験2で行った結果であるデータ4、5と殆ど差がないほどまでになっている。 しかし、データ3ではデータ1、2、前回のデータ3と比べても悪くなっていることがわかる。 また新しく作ったデータ6ではデータ1、2と殆ど差がないという結果になった。

データ1の結果から風のデータを直すことで、うまく分類ができるようになったといえる。 しかし、実験を行った内では風のデータが一番影響を与えるデータ3では、 予測結果が悪くなった。 その原因としては、気温のデータを残すために正規化を行っていないために、 気象の分類がうまく行えていないことだと考えられる。 今回では、最大瞬間風速が大きすぎることがデータ3の予測精度が悪くなった原因と考えられる。 最大瞬間風速は、大きいときには30を超え、小さいときは5程度である。 この差は25程度と大きくはあるが許容範囲内であった。 しかし、直交座標系を用い、風向きの情報を表すときにマイナスを使ってしまったために、 最大と最低の差が60近くできてしまった。 また、特別大きいところではなく、 南北反対の風向きになるだけでも20程度の差ができてしまっていた。 そのため、データ数が減るに従って風の影響が大きくなり過ぎ、 他のデータが影響されにくくなっていたと考えられる。 その結果、データ3では予測が悪くなり、 最大瞬間風速を減らしたデータ4では他のデータと差がない結果になったと考えられる。

これらの結果から、データ数と予測精度には大きな関わりはないとわかる。 特に実験2と同様に相関性のあるものや、予測に必要のないデータは入れる必要がないといえる。 しかし、入力するデータ数によって個々のデータが学習に与える影響の大きさが変わるため、 予測精度が悪くなることがある。 これを解消するためには、 気温のデータを残したまま、 入力データを正規化する必要があると考えられる。



Deguchi Lab. 2012年3月9日