ランダムパターンの方がアルファベットに比べパターン間の相関が小さいため学習成功個数が多くなると思われたが、学習回数が20回のところで、アルファベットとランダムパターンの比較をすると、アルファベットと同じ学習回数では、ランダムパターンの学習成功個数は約40個ほどになった。これはアルファベットの52個に比べ2割程少ない数である。相関が小さい方のランダムパターンの方が悪い結果となってしまった。
そこで、それぞれの学習に用いたパターンの相関値を求め(表5.2)、その平均と分散の値を求めてみた。これより分かったことが、アルファベットパターンとランダムパターンの相関値の平均はそれほど大きな差はなかったが、分散の値が大きく異なっていることが分かった。つまり、多く学習できたアルファベットパターンの方がランダムパターンよりもパターン間の相関値のばらつきが大きいことになる。
アルファベットと、ランダムパターンの学習成功数の違いからも考えてみると、学習させようとするパターンの相関が大きいか小さいかだけでなく、相関のある程度のばらつきも学習に影響を与えることになると思われる。 多くのパターンを学習させようとしたとき、今回の実験結果から考えられることは、 パターン間の類似性だけではなく 相関値の分散がある程度必要になると思われる。
平均 | 分散 | |
アルファベット | 0.557 | 0.00118 |
ランダムパターン(黒10) | 0.682 | 0.0000412 |
ランダムパターン(黒15) | 0.581 | 0.0000525 |
ランダムパターン(黒20) | 0.525 | 0.0000756 |
ランダムパターン(黒25) | 0.508 | 0.0000673 |
ランダムパターン(黒30) | 0.534 | 0.0000871 |
ランダムパターン(黒35) | 0.600 | 0.0000725 |
ランダムパターン(黒40) | 0.707 | 0.0000264 |
ランダムパターン(黒45) | 0.853 | 0.0000079 |