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5.3.4 アルファベットパターンの学習順

   figure355
図 5.10: アルファベットの学習過程

ランダムパターンの学習実験において、相関が大きいものは学習回数の少ないときの学習が得意で、相関が小さいものは学習回数が大きくなったときの学習が得意であることが分かった。そこで、アルファベットパターンにおいての学習の行なわれる順番を見てみる。

このときに、今までの学習回数や繰り返し回数、結合荷重を使用すると学習が速く進み過ぎてしまうため結合荷重の変化が0.005だったのを0.001にし、繰り返し回数を50回だったのを200回にした。 また、それぞれのアルファベットについて 他のパターンとの相関を計算し、その平均を求めた。

図{5.10 は各パターンの相関値の平均とその結果である。 図の``o''は想起に成功していることを示し、``.''は想起に失敗したことを示す。 下に行くほど学習回数が増える。学習の順番を見てみると、相関の大小に関係なく、学習が早い段階か、遅い段階かはそのパターンの相関値によらず、ほとんどバラバラに分布していることが分かる。

ランダムパターンの学習の結果によって得られた相関値の大小による学習の行なわれ方の違いは、パターンの相関値の分散が小さい場合のものであり、アルファベットパターンの学習のようなパターン間の相関値の分散が大きくなってくると、ランダムパターンのように単純な学習の行なわれ方でないことが分かった。



Deguchi Toshinori
Mon Feb 26 15:23:22 JST 2001