next up previous contents
Next: 5.3.4 入力パターンによる特性 Up: 5.3 使用パターン Previous: 5.3.2 繰り返し回数による特性

5.3.3 学習回数による特性

学習回数とは各入力パターンを何回学習させたかというものである。ここで使用した入力パターンは黒い部分が25個の時の5.3.1節で使用したパターンの中で最も平均に近いものを使用した。ここでは学習回数を変化させると学習成功個数のどのような変化が見られるかを調べた。図5.18、図5.19にその結果を示す。横軸各パターンを学習させた回数で、縦軸は実際に学習出来た個数を示している。

   figure414
図 5.18: 学習回数による特性グラフ

   figure421
図 5.19: 拡大図

この実験で用いたパターンで100%学習出来たのは36個までである。その値を基準として上下で異なる特性が得られた。学習個数が36位までの時は、ほとんど変わらず学習回数がある程度大きくなると、ほぼ全てのパターンを学習している。しかし、それよりも多く学習させた時は、学習回数が5回ぐらいまでは多く学習が成功しているが、その後徐々に低下してしまっている。

各パターンの全学習回数は、繰り返し回数と学習回数を掛けた回数である。すなわちどちらを増やしても全学習回数の変化としては同じはずである。よって、ここでも繰り返し回数による特性と同じような特性が得られるのではないかと考えることが出来るが、実際にはそうはいかなかった。このような特性が得られた原因としては、ニューラルネットワークは学習したパターンを相起し収束をしていくという性質を持っている。そのため、ランダムを用いて類似性を減らしたが、学習個数が多くなると、どうしても似ているパターンが出てくる。そのため、ネットワークは似ているパターンに収束していき、学習回数を増やすとネットワークが収束出来る範囲が広がってしまうため、より少ない数にまとまってしまうのではないかと考えられる。そのため、学習個数が少ない時は、収束していく前に終るのでそのものを学習できる、というより、そのものしか学習できないため多くの学習ができているのだと考えられる。



Deguchi Toshinori
Thu Jul 13 13:13:35 JST 2000