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シナプス前制御

  カオス状態を制御する方法としては、パラメータの tex2html_wrap_inline1678 を 変化させる方法がある。 しかしこの方法ではニューラルネットワークを外部から制御する必要がある。 ここでシナプス前制御を用いることにより、 ニューラルネットワークによる制御が可能となる。

シナプスは以前にも述べたように、神経細胞と神経細胞の結合部分のことをいい、 一般に

  equation260

X' :シナプス後細胞に送られる信号

w :シナプス結合荷重

X :シナプス前細胞の信号

とモデル化される。

シナプス前制御とは、実際の神経回路にも観られるもので、 興奮性シナプスのシナプス前終末を脱分極させ、興奮性シナプスから 放出される信号の量を制御することにより抑制をかけるものである[2]。

これは式(5.1) のシナプス結合荷重 w を制御するもの と考えられる。 また本来シナプス前抑制は、興奮性シナプスのみに働くものであるが、 本研究においては興奮性、抑制性を問わず一様に働くものとし、 次式のようにモデル化した。

  equation265

tex2html_wrap_inline1688 :シナプス結合荷重のパラメータ

またシナプス前抑制値は一定の値として用いることとした。 シナプス結合荷重値 tex2html_wrap_inline1688 をカオスニューロンのモデルの 式(3.3) に考慮することにより、次式のように書き変えられる。

  equation269

よって、本研究に用いるシナプス前制御を考慮したカオスニューロンのモデルは、 式(3.2) , (3.4) , (5.3)に よって決定させる。



Toshinori DEGUCHI
2004年 3月22日 月曜日 09時50分50秒 JST