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考察・検討1

t=220回 までに学習させた4個のパターン全てをある程度連続で想起 するような想起状態を実現することは出来た。 しかし、想起したパターンの様子を図 6.3 でさらに長い時間にわたり見てみると、各パターンの出現が 動的想起状態のようにランダムに現れているのではないことが分かる。 各パターンが一定の周期を持ってパターンからパターンへ変化している 様子が観察できる。 この図 6.3y 軸に表示してあるパターンが想起できた パターンを、x 軸は想起時間を示す。 またプロットが無いところは、完全なパターンが想起されていないことを示している。 t=222回 の星からの想起は様子は一定の周期があり、それがずっと繰り返されている 状態となった。これは、自己想起しようとする力が強く働いているために うまく動的想起状態にならずに、ある程度連続で パターンが現れてしまうのではないかと考えられる。

この状態はランダムに様々なパターンを想起する動的想起状態ではなく、 パターンを次々に一定の周期で想起する周期的動的想起の状態であると言える。

また想起する順番が最後に覚えさせた星から始まり、次にバツ、三角、波、 そして再び星と覚えさせた順になっていることも分かる。 このことから、逐次学習法ではパターンからパターンへの移り変わりの順番も 学習しているのではないかと考え、次に学習させる順番を変化させて 本当に学習順を覚えているのか実験してみることにした。

   figure345
図 6.3: 周期的動的想起状態



Toshinori DEGUCHI
2004年 3月22日 月曜日 09時50分50秒 JST