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5.2 音符の数値化と量子化をする手法

想起過程においてニューラルネットワークの出力した値を各音符に対応させるため、 量子化をして細かな数字を除外してから、音符としての数値化をする必要がある。 その手法として、当研究室卒業生の保木氏が提案した手法を用いる[8]。 次に、その方法について説明する。

tex2html_wrap_inline1609 音符を数値に変換する方法

音符を高さと長さに分けて、それぞれをニューロンで表すために、0から1の値に 変換することが必要である。 音符の高さの場合3オクターブをそのまま0から1に線形に 割り当てるだけでいいのであるが、音符の長さの場合、短い音符の値が他の 短い音符の値に近くなってしまうので、次のように割り当てる。

equation302

tex2html_wrap1587 は音符の長さ、 tex2html_wrap1588 は変換後の値である。 この変化の様子を図5.1 に示す。

このようにすると、全音符、2分音符、4分音符、8分音符、16分音符の 間隔が均等になる。 また、グラフの上では4分音符1つを0.6[sec]として表示する。

tex2html_wrap_inline1609 数値を音符に変換する方法

音符の長さは、間隔が tex2html_wrap1589 になるようになっているので tex2html_wrap1590 から tex2html_wrap1591 までが全音符、 tex2html_wrap1592 から tex2html_wrap1590 までが2分音符というように割り当てる。 音符の高さは、0から1の間に tex2html_wrap1594 段階あるので、間隔は tex2html_wrap1595 である。 このことからわかるように、長さは誤差が tex2html_wrap1596 以上で誤りが生じるのに対して、 高さは誤差が tex2html_wrap1597 以上という小さい値で誤りが生じる。 このことから、長さの方が速く学習できると考えられる。

   figure310
図 5.1: 音符の長さの変換



Deguchi Toshinori
Wed Feb 21 11:55:53 JST 2001