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入力に0を入れた場合

通常,想起のための第一音には教師信号の音の長さ,高さとしての値を入力するが, 0を与えてみた。 その結果出力された値の一例を図 6.2 に示す。

   figure272
図 6.2: 想起された出力データ

これは入力に0を与えてからの出力値を,横軸に時間ステップtをとって グラフに表したものである。 比較のため学習させた時系列,つまり教師信号を並べた。 グラフに示されるように教師信号との間に6音分の位相のずれを伴って想起をしていた。 教師信号は全部で38音あるので位相差は-18音から+19音までとなる。 また正しい時系列を想起し出すまでに,25回の時間ステップ入出力を繰り返した。 その間は,教師信号が崩れたような時系列を出力していることがグラフよりわかる。 これは入力の値がおかしくても,内部記憶層の値によって時系列の出力を 復元していっているということだと考えられる。 正しい時系列が想起されてからは,入力に教師信号を与えたときと同様に, 学習させた時系列を繰り返し想起し続けた。 このように一度正しい時系列を想起し出せば,想起は安定することがわかる。



Toshinori DEGUCHI
2004年 3月19日 金曜日 16時33分51秒 JST