3.1で述べた学習しにくいパターンではないかという 9 15の135ドットのフォントと, それよりも素子数が少ないが学習がうまくいった 7 14の98ドットのフォントを,比較してみる. 図5.4, 5.5は それぞれのサイズの入力パターンだが, 大文字のEとFを見てみると2つともEとFは見た目にも似ている. しかし小文字のeとsをくらべてみると, 9 15の135ドットのフォントの方がeとsが似通っていて, 逆に7 14のフォントの方は, eとs差ほど似ていないことが伺える.
そこで, このパターンを数値的に比較してみる. このパターンの類似度を表す量として, あるパターンとその他のすべてのパターンを比較し, そのドットがおなじならば+1違っていたら0とする. その値を全素子数で割ったものを, あるパターンの他のすべてのパターンに対するの平均を出し, それを相関値とし, それを用いた. これをすべての大きさのパターンについて計算する. 先ほどの比較した7 14の98ドットのフォントと 9 15の135ドットのフォントの二つのフォントについて 相関値の平均に注目してみる. 図5.6が結果である. この図より, 7 14の98ドットのフォントの相関値の平均と 9 15の135ドットのフォントの相関値の平均を比べると, あきらかに9 15の方の相関値の方が高いことが伺える. つまりこの9 15のフォントの方のパターンは全体的に似通っているといえる. また, 6 10のフォントの相関値の平均と 7 14の98ドットのフォントを相関値が変わらないのに, 先ほどの図では6 10の方が学習成功数が明らかにすくなかった. これは学習成功数が多いか少ないかは, 相関値だけでなく, 素子数にも関係していると考えられる.