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7.2.2 内積値の計算・変更

 

パターンの相関内積と想起の関係を調べるために,作成したパターンの内積値を 調べる必要がある。 次に,パターンの内積値の計算を行なう。

まず,パターン tex2html_wrap_inline2495tex2html_wrap_inline2633 の相関内積を求めるには, 次式のように行なう。ただし, tex2html_wrap_inline2635 で, tex2html_wrap_inline2637P をパターン数,N を各パターンの要素数とする。

  equation721

ここで,ベクトルの内積と合わせるために,直交のとき内積値が 0 となるようにする。 そのために,白を -1 黒を 1 として計算する。 実際に使用するパターンは,0, 1 なので,次のように計算する。

  equation737

これで,相関内積を求めることができる。しかし,実際にこの内積値と想起の関係を 調べるには,自由に内積値を変更できるほうが便利である。 そこで,本研究では,内積値を調べながら,調査する条件にあった値に変更できる ようにした。この手順は,次のようである。

  1. 相関内積値の計算  
  2. この値が条件を  
    1. 満たしている → 終了  
    2. 満たしていない → 条件を満たしていないパターンの一つの白黒を入れ換え, (1) へ戻る  
(1) で値を求め,(2) で条件を満たしているかどうかを調べる。 条件を満たしていれば,(2)(a) でそのまま終了する。 満たしていないものがあれば,まず (2)(b) で満たしていないパターンのうちの 一つを適当に選ぶ。 次に,そのパターンの要素の白と黒を,それぞれ乱数を使って指定し, それを入れ換える。そして (1) へ戻り,条件を満たすまで繰り返す。

この条件には,調査の仕方に伴い,直交数,相関内積の平均値の範囲の指定を行なう (第 7.3 節参照)。 付録 B では,これらの指定ができるプログラムを掲載している。

次節では,ここまでで作成したパターンを,実際にサーチアクセスを実行し,想起度を 調査する方法について述べる。



Deguchi Toshinori
1996年09月05日 (木) 11時50分24秒 JST