実験結果よりType1及びType3の特性が定数値入力の場合に似ていることが分かる。 そこで、k=0.3, x=0.6の時の各入力方法の結果をまとめたものを 図 5.12, 5.13 に示す。 図を見ると、Type1及びType3が定数値入力の時の 極端に悪い部分を無くし、ばらつきを小くしたような特性を持っていることが分かる。 また、Type3とType1はほとんど同じ特性となっているが、 Type1の方が若干良い結果となっていることが分かる。 xの値がkの値の2倍程度の時に似たような特性になるのは、 0以上x以下の一様乱数の平均は0.5xになるため、 実質0.5xの定数値を入力した場合に近い状態になったのではないかと考えられる。
実験結果よりType2及びType4の特性も似ていることが分かる。 そこで、x=3.0の時の各入力方法の結果及び k=0.3の時の定数値入力の結果ををまとめたものを 図 5.14, 5.15 に示す。 図 5.14を見ると、Type2の方が良い場合もType4がいい場合もあり、 どちらがすぐれているかはハッキリとしない。 しかし、図 5.15を見ると Type4よりもType2の方が良い結果となっていることが分かる。
よって、乱数値入力を行なう場合は各素子ごとに入力値を変化させるのではなく 同一とした方が良いと考えられる。
次に、Type1とType2のどちらがより優れているのかを検討する。 Type1はxの値が小さいときに良い結果となる。 しかし、Type2はxの値が大きくなるにつれて想起成功パターン数は増加するが、 想起成功率は減少していくためどのxが良いのかを決めることが出来ない。 そこで、Type1及びType2の想起成功率がほぼ同じになる時の図を 図 5.16, 5.17 に示す。 これはType1はx=0.6、Type2はx=2.5の時の結果である。 この図を見ると想起成功率はほぼ同じであるのに対し、 想起成功パターン数はType1よりもType2の方が良いことが分かる。 よって乱数入力の4方法の中で、Type2が最も優れていると考えられる。
図 5.12: k=0.3,x=0.6の時の各入力方法の想起成功パターン数
図 5.13: k=0.3,x=0.6の時の各入力方法の学習パターン想起回数の割合
図 5.14: k=0.3,x=3.0の時の各入力方法の想起成功パターン数
図 5.15: k=0.3,x=3.0の時の各入力方法の学習パターン想起回数の割合
図 5.16: Type1、Type2の想起成功パターン数の比較
図 5.17: Type1、Type2の学習パターン想起回数の割合の比較