可制御性指数 多入力システムを考える.ただし,
はそれぞれ
定数行列とする.さらに,入力
の係数行列
が
個の列ベクトル
により
と表されるものとする.このシステムに対し
可制御性指数により,多入出力システムの可制御性準形を求める前に,可制御性指数を具体的に計算してみる.
例3.7 行列を
次に,上記の可制御性指数を用いて,多入力システムを可制御正準形に変形する方法について述べる.なお多入力システムの可制御正準形とは,システムの状態変数をいくつかのブロックに分けたとき,ブロックごとに可制御正準形システムが構成されるよう同値変換を施したシステムである.
定理 多入力システムが可制御であり,行列
が最大の階数を持てば,すなわち
であれば,可制御正準形
に変換できる.ただし,
具体的にシステムの状態方程式が与えられたときに,課制御正準形式(25.9)〜(25.11)へ変換するための変換行列をとすると,
は一般に次の方法で求められる.
多入力システムの可制御正準形式への変換 与えられたシステムに対し,行列
を次式で定義する.
例3.8 例3.7のシステムに対し,可制御正準形を求める.まず行列は
1入力システムの可制御正準形は一意に求めれるが,多入力システムにおける可制御正準形は一意には求められない.このことは次に示す例により判る.
例3.9 可制御正準形で与えられるシステム
可観測性指数 可制御性指数と同様にして,可観測性指数が定義される:
多入力システムを考える.ただし,
はそれぞれ
定数行列とする.さらに,
が
個の行ベクトル
によって
と表されるものとする.このシステムに対し
定理 多入力システムが可観測であり,行列
が最大ランクを持てば,すなわち
であれば,そのシステムは可観測正準形
に変換できる.ただし,