まず、ニューロンとカオスニューロンの違いを説明する。 次の二つが違う点である。
2.1節でのべたが、ニューロンの出力は連続的に変化する。 この出力の変化は、図 2.7のようになる。 図 2.7のシグモイド関数は式(2.6)で表される。
従来は、出力は1か0だけで表されていたが、神経細胞において、 出力は全か無かの法則では表すことはできないことがわかった[1]。 つまり、出力は、連続的に大きさが変わっていくのである。 ニューロンのカオスを生成する軌道不安定性は、この連続的なしきいセパラトリクスに 起因するのである。 つまりこれは、ニューロンのカオスは全か無かの法則の不成立ゆえに 成立すると言える。