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7.1 パターンの変換

  これまでのサーチアクセスにおいて検索できていなかったパターンを, 検索が成功するパターンとそれぞれ1対1に対応させて, 相互相関学習によって学習させることによって, 検索できるようにすることが目的である. 図 1のパターン2は,上下対称か否か,左右対称か否かという2つの特徴によって分類できる. “O”は上下左右共に対称,“A”は左右対称で上下非対称,“E”は上下対称で左右非対称,“J”は上下左右共に非対称である.

 

 

特徴1(左右対称・非対称)0011
特徴2(上下対称・非対称)0101
表 1: 特徴の割り当て

まず,図 14のネットワークを用いて, パターン1の代わりにパターン2を学習させて, サーチアクセスを行ってみたが, 非周期的に様々なパターンを想起し続けるだけで, 正しいパターンは検索できなかった. よって,パターン2は図 14のネットワークにおいては, 検索が困難なパターンであることがわかる. 次に,図 15のネットワークを構成して, パターン1とパターン2の各パターンを1対1に対応させて学習させ, 検索されたパターン1のパターンを, 対応するパターン2のパターンに変換する方法を用いて, サーチアクセスを行ってみる. 4つのパターンを学習させて, 入力した特徴を持ったパターンが検索できるか, それぞれ初期状態に10通りのランダムパターンを与えて, 40通りのサーチアクセスの実行を行ってみた. 表 2に実行結果を示す.

 

 

131 tex2html_wrap_inline1791 1382
2213 tex2html_wrap_inline1791 521
35491014
429 tex2html_wrap_inline1791 137
577 tex2html_wrap_inline1791 2166
613 tex2html_wrap_inline1791 2 tex2html_wrap_inline1791 2110
73 tex2html_wrap_inline1791 3 tex2html_wrap_inline1791 512
853 tex2html_wrap_inline1791 2718
9402 tex2html_wrap_inline1791 159
1024 tex2html_wrap_inline1791 13 tex2html_wrap_inline1791 1663
表 2: パターン変換を用いたサーチアクセスの実験結果

表中の数字は検索に要した時間であり, また, tex2html_wrap_inline1791 印のついているものは誤ったパターンを検索したものである. 図 16に, サーチアクセスを実行した例として, 上下左右共に対称なパターンである“O”を検索した結果を示す. 図 17は, 左右対称で,上下非対称なパターンである“A”を検索した結果である. 検索を始めてすぐに自己想起状態になっており, 短時間で検索できている.

特徴1,特徴2ともに“0”である“O”, 特徴1,特徴2ともに“1”である“J”については, うまく検索できているが, 特徴1が“0”で特徴2が“1”である“A”, 特徴1が“1”で特徴2が“0”である“E”は, 検索成功率が5割を下回っている. 今回用いたパターン(O,A,E,J)以外のパターンを学習させたり, パターンの順番を入れ換えたりしてサーチアクセスを行ってみたが, 同様に,特徴1と特徴2が同じでない2つのパターンにおいて, 検索成功率が低いという結果がでた.

   figure672
図 16: 上下左右共に対称なパターンを検索した実行例

   figure679
図 17: 左右対称で上下非対称なパターンを検索した実行例


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Deguchi Toshinori
1997年03月18日 (火) 14時34分51秒 JST