まず,モデル化を行なうにあたり,神経細胞の機能について考える。 この神経細胞の機能には,次のことがあげられる。
ニューロンは多くのニューロンから入力を受けて一つの出力を出すことから, 多入力 1 出力の素子であると考えられる。 ニューロンは他のニューロンからの信号を受けとり, それを重み(荷重)つきの総和という形で総和し, その結果興奮するかを決める。 ここで重みというのは, 「他のニューロンの出力を, どの程度の割合で受けとってそのニューロンの入力とするか」 という割合を示す値である。 重みはニューロン間それぞれによって異なる値をとると考えられている。
ここで 1 つのニューロンが n 個のニューロンから入力を受けているとする。
i 個目のニューロンの出力を (
),
それぞれの重みを
と表すと,
もっとも単純には i 番目のニューロンからの入力は,
と表される。
この重みはシナプス荷重とも呼ぶ。
今,簡単のために各細胞からの入力
が単純に加算されたものが
そのニューロンの入力の総和になるとする。
そしてその総和がしきい値
を越えた時に,
ニューロンが興奮するものと考える。
さらに軸索は減衰のないものと仮定する。
このようにして一つのニューロンの出力が決まるものと考えられる。
このニューロンの数理モデルは,図 4, 式 (2) のように表せる。
式 (2) は,他のニューロンからの出力に荷重を掛け,
その総和がニューロンに与えられる.
そしてそこからしきい値 を引いたものが,
u であることを意味している.
この u を膜電位,もしくは内部ポテンシャルと呼ぶ。