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カオス的挙動

カオス的挙動とは,入力値が少しでも異なると, その振舞いが大きく変わることである。 例として,式(3.1), 図 3.1 のような出力値がそのまま 次の入力値になるような系を考える。

  equation113

   figure117
図 3.1: カオス的挙動を与える入出力特性

   figure124
図 3.2: 初期値のわずかな違いで起こる系の挙動変化の様子

この式を用いて,実際に繰り返し計算をし,繰り返し回数 nn 回目の出力 tex2html_wrap_inline1197 の関係を調べると,図 3.2 のように複雑な振舞いをしている。 よってこの系は,カオスであると言える。

また,この図の (a),(b) ように初期値 tex2html_wrap_inline1199 をそれぞれ 0.300000, 0.300001 と,わずか百万分の一だけ異なっている値を使って計算し比較すると, n が 15 以下ではほとんど同じ挙動であるが, n が15以上では全く違った挙動となっている。 このようにカオスでは,初期値のわずかな誤差でも, 系の状態変化に大きな影響を及ぼすことが示される。 このことからもカオスは, 不変の法則に支配される系にありながら法則性のない 予測不可能な非周期的振舞いということである。



Toshinori DEGUCHI
2003年 4月14日 月曜日 09時55分33秒 JST