カオスニューロンを構成要素とするニューラルネットワークを, カオスニューラルネットワーク (chaotic neural networks) と呼ぶ。
カオスニューラルネットワークのモデルの構成要素としてのニューロンモデルを 定式化するにあたって, 「ホップフィールドのニューラルネットワークを典型例とする, そのニューラルネット内のニューロンからのフィードバック入力」を考慮すると, 式 (4.3) のカオスニューロンモデルのダイナミクスは, 次式のように表わされる。
ここで,関数 g(x), h(x) を恒等関数 (g(x)=x, h(x)=x) とすると, 式 (4.4) の内部状態は, 次式のようになる[6, 11]。
さらに,次の関係を用いると,式 (4.6) のように単純化される。
式 (4.4) の内部状態を式 (4.6) に置き換えると, 神経細胞の持つ空間的加算, 連続的しきい値作用及び,不応性をすべて持ち合わせ, 既存のニューラルネットワークモデルの多くを, そのパラメータや関数の簡単化によって内含する 「カオスニューロンのモデル」となる。 モデル図として表すと,図 4.2 のようになる。
本研究では,さらにこの式の にシナプス前抑制関数
(第 6.4, 6.5 節参照)を考慮したものを用いる。