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6.2 実験モデル

本研究で用いたカオスニューラルネットワークは、図6.1の相互結合型ネットワークで、49個のニューロンを相互に結合した。本研究で用いたカオスニューラルネットワークの i 番目のカオスニューロンのダイナミクスは式(6.1)となる。また出力関数は式(3.3)で与えられるシグモイド関数を用いた。

通常の連想記憶モデルでは入力パターンを初期入力としてのみ用いることが多いが、ここでは入力パターンを継続的に与える。また、従来のカオスニューラルネットワークを用いた連想記憶モデルの多くは、ニューロンの出力に関してのみ時間加算を考慮しているのに対し、式(6.3)では入力に関しても時間加算を考慮している。式(6.3)の各パラメータの値を表6.1のように決めた。この値がカオスを簡単に生成するために重要である。

   figure445
図 6.1: カオスニューラルネットワークモデル

  equation453

  equation468

  equation471

 

 
tex2html_wrap_inline1544 = 0.015 tex2html_wrap_inline1546 = 2.0 tex2html_wrap_inline1548 = 0.95
tex2html_wrap_inline1550 tex2html_wrap_inline1552 tex2html_wrap_inline1554
表 6.1: 各パラメータの値

本研究の実験で使用した6個のパターンは図6.2である。パターンは 7*7 で49個の白いマスを黒の点と黒に塗りつぶして作成した。パターンを入力する時には1つのマスを1つのニューロンに入力し、黒の点のマスを-1、黒に塗りつぶされたマスを+1としてニューロンへ入力する。パターンにノイズを付加する時は入力値を反転させた。

   figure490
図 6.2: パターン

6.3は6個のパターンを各パターンで100回入力し、1セット学習を行なった時の0 tex2html_wrap_inline1562 599回までのニューロンの出力の様子を表している。図は左から右へ25回ずつ並べて1行にして、上から順番にニューロンの出力を並べていったものである。図よりニューロンの内部状態の各項を時間加算しているために、入力パターンを変えてもしばらくの間、前のパターンを出力していることが分かる。

   figure500
図 6.3: ニューロン出力



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 09:07:09 JST 2000