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6.4 学習できるパターンの数

   figure532
図 6.6: 学習成功パターン数

本学習法を用いて、49個のニューロンでランダムパターンをいくつまで学習できるかシミュレーションした。ランダムパターンは、ランダムに+1を入力するニューロンを25個決めて、それ以外のニューロンは-1を入力するようにして作成した。そのためこのパターンは、ほぼ+1と-1が同じだけある。実験は入力をそれぞれのパターンで100回行ない1セットとし、10セット行なった。図6.6は横軸が学習させようとしたパターンの数で、縦軸が学習に成功したパターンの数である。図の値はランダムの種を10種類変えて実験を行なった平均の学習成功パターン数である。図より49個のニューロンを使用したカオスニューラルネットワークで最大38個のパターンを学習することができた。またパターン数35個までは、ランダムの種を変えても学習させようとした全てのパターンを学習することができた。38個以上のパターンを学習させようとしても、全て学習することができずに学習に成功したパターン数も減少した。

また本学習法により、アルファベットのA tex2html_wrap_inline1562 Zまでの大文字と小文字52個のパターン全て学習に成功した実験結果がでている[10]。これより本学習法ではランダムパターンの方が学習できるパターン数が少なく、アルファベットのパターンより学習しにくいことが分かった。この理由として、ランダムパターンは他のパターンと似ている部分が少ないために、そのパターンを学習するには特徴がありすぎてニューロンの結合荷重の情報を多く必要とし、パターンを多く学習できないのではないかと考えられる。それに対してアルファベットのパターンでは、似た部分が多くあり、逆に似てない部分の結合荷重を強くしてやることで、そのパターンを少ない結合荷重の情報で学習することができ、そのためアルファベットのパターンの方が多く学習ができるのではないかと考えられる。



Deguchi Toshinori
Wed Jul 12 09:07:09 JST 2000