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3.2 カオスニューロン

カオスニューロンは、ニューロンをより脳内の神経細胞に近付けるため、 いろいろな改良がしてある。

実際の脳内の神経細胞の出力は、全か無かの法則に従わず、 出力にばらつきがある。 そこで、出力関数に単位ステップ関数の変わりに、シグモイド関数を使う。 シグモイド関数は図(3.4)、式(3.2)で表される。 図(3.5)は、シグモイド関数の微分である。

  equation87

   figure93
図 3.4: シグモイド関数

   figure98
図 3.5: シグモイド関数の微分

tex2html_wrap1264 は、立ち上がりの鈍さを表すパラメータである。 この関数は、ニューロンにカオスを発生させるために取り入れられたが、 他にも利点がある。 それは、ニューロンの出力に使われている単位ステップ関数は不連続であるので 微分するとデルタ関数になり、コンピュータでは計算でないが、 シグモイド関数は微分がコンピュータで計算できるということである。

もう一つの脳内の神経細胞の特徴に不応性がある。 不応性とは、脳内の神経細胞がパルスを発生した直後からしばらくの間は、 パルスを出力しにくくなる性質のことである。

これらの性質に加え、入力値や内部状態の時空間加算を考慮すると、 カオスニューロンの出力は式(3.3)になる。

  equation104

添字 tex2html_wrap1265 は、いま出力を計算しているニューロンと、 入力を与えるニューロンを示している。 tex2html_wrap1266 は入力情報を、 tex2html_wrap1267 は内部状態を、それぞれ表す。 具体的には、式(3.4)(3.5)である。

   eqnarray109

これらの式を図で表すと、図(3.6)のようになる。

   figure120
図 3.6: カオスニューロンの構造



Deguchi Toshinori
1999年03月23日 (火) 15時43分49秒 JST