next up previous contents
Next: 謝辞 Up: 無題 Previous: 8.4.2 要素平均が 0.25 0.50

第9章 結言

 

学習パターンの要素平均によって内部定数を変更することにより, サーチアクセスに適した学習パターンやカオスニューロンの状態を得ることができた。 また,ある程度は要素平均と内部定数の関係に規則性が得られた。

特に,要素平均 0.25 のパターンの場合は短時間で検索することができるので, サーチアクセスに適している。 また,内部定数の適切な設定により,カオスニューロンのカオス状態が, カオス領域から周期領域に移ることなくなり,検索を成功させることができる。

今後の課題として次のような事項があげられる。

       dingautolist1147

pzd182 は,本研究では詳しくは調べていないが, 検索が成功しにくいことはわかっている。また,第 8.4.18.4.2 節で述べたように, 要素平均 0.75 のパターンの検索結果が, 反転パターンである要素平均 0.25 のパターンよりやや悪いことからも予測できる。 これらのパターンについても同様な検索方法で関係を調べてもよいが, 対称性を考慮して,0.50 以上のパターンを 0.50 以下の反転パターンとして 出力し,それを元に戻すという方法を検討することもできる。 また,カオスニューロンのしきい値 tex2html_wrap_inline2768tex2html_wrap_inline2950 符号等も変更して, 対称性を保つことができれば,0.50 以下のパターンの性質をそのまま使用する ことができる。 このような方法を用いるには,0.50 以上のパターンかどうかを 自動的に判定し,それに応じてパラメータ等が設定されるようにする必要がある。 また,これを実用化する場合に回路として簡単に組むことができるかを, 考慮する必要がある。

pzd183, pzd184, pzd185 は, 学習パターンの条件を変更した場合の想起状態を調べるものである。

pzd186 は,学習パターンの直交性や要素平均等により, 検索できないパターンや想起時間のかかるパターンの代わりに, 内部パターンとして利用し検索するものである。 この内部パターンを学習させたカオスニューロンの出力を, 相互相関学習により学習させたニューロンへ入力する。 相互相関学習は,入力と同じパターンを想起するのではなく, 別のパターンを想起するように学習させる方法である。 この場合,内部パターンと検索パターンを対応づけるように学習させる。 したがって,このように学習させたニューロンは, 入力された内部パターンに対応した検索パターンを出力する。 これまでの研究では,図 1.1 のパターンを内部パターンとして 用いていたが,この 0.25 のパターンを用いれば, さらに短時間の検索が可能になると考えられる。

最後の pzd187 は, パターンの要素平均と内部定数にある程度の規則性が得られたので, 学習パターンから自動的に内部定数を予測し,設定する方法を検討することである。 これが可能になれば,あらかじめ学習パターンの要素平均を計算し, その都度内部定数を設定する必要がなくなる。





Deguchi Toshinori
1998年03月12日 (木) 16時16分01秒 JST